Lightroom mobile HDR はすごい
書こう書こうと思っていて、ついつい後回しになっていたLightroom mobileについて。
別に仕事でもないし、すでに多くの人が仕事として書いているので、今更僕が書くのも、、と思っていて今頃になりました。
Lightroom mobileはLightroomのスマホ用アプリです。僕が先月のCP+2017横浜でもこのアプリについてお話ししました。
CP+2017横浜の1週間後、Lightroom mobileのカメラにHDRが付きました。前からウワサとしては聞いていたので、それほど驚かなかったのですが、実際に自分で試してみて、その性能に驚きました。
上の写真は同じ場所からiPhone7plusとライカQで撮った写真です。なぜライカQと比べているかというと、どちらも画角は同じなんです。35換算で28ミリ。ただ、フォーマットが違います。iPhoneは4:3でライカQは2:3。
しかも、どちらもRAWフォーマットがDNG。
違うのはフルサイズセンサーを使っているライカQ、iPhone7のセンササイズは1/3.0inchと、この部分が決定的に違っています。
Lightroom mobileのカメラにHDRが付いてから、僕はiPhoneで撮るほとんどの写真はHDRで撮っています。
理由は、、、
スマホカメラでの欠点はセンサーサイズから来る階調幅の狭さです。露出が合っているところは良いのですが、暗いところはつぶれ、明るいところはとんでしまって真っ白になってしまう。
この欠点を補うのがHDRなのです。
HDRは今ではほとんど全部のカメラと言っても良いくらい、機能として入っています。
今更の機能なのですが、、、
今回のLightroom mobileのカメラのHDRは非常に優れています。
上の写真のハイライト部分を拡大したものです。
ライカQはHDRではなく、1シャッターでの撮影、iPhone7はHDRです。
HDRを使ったことがある人ならすぐ分かりますが、通常、3カットの露出違いの画像から1枚の画像を作ります。
つまり、3回撮影されると言うことです。
この写真での注目点は3回シャッターを切っているのに、歩行者のズレが少ない点。普通のカメラだと、シャッター間隔が広い、つまり1回シャッターを切って次のシャッターを切れるのに多少の時間が掛かるのに、iPhone7の場合、この画像から推測すると、かなり短いと思われます。
これは電子シャッターを使って露出を変えて3枚撮っているからです。機械シャッターを使っている普通のカメラではとうてい真似の出来ないシャッター間隔です。
更に、この露出違いの3枚を撮るのに、撮影者がその幅を決める必要がありません。Lightroom mobileで自動的にその環境から判断して、3枚をバラして撮ります。
更に言うと、ハイライトを飛ばないにするために、かなり速いシャッターを切っているようです。このカットではありませんが、太陽を画面に入れて撮ると僕のところでのテストでは20万分の1秒で切れているカットもありました。その時のISO感度は20です。
iPhone7のカメラは絞り固定でf1.8です。露出の調整は感度とシャッタースピードで調整されます。
上の写真のハイライト部分でiPhone7の方が外界がとんでいません。そこに合わせた露出で撮られているからですね。
暗いところの画像もそこに合わせた露出で撮ります。
この画面は画像の左隅を拡大したもの。
いくら暗いところに合わせた画像からHDRを作っていると言っても、オリジナルはiPhone7です。
暗いところのノイズが気になります。それと画面周辺の描写がライカQには劣ります。
ただ、ここまで拡大して、更に画面周辺を見て分かるもので、ほとんどのケースでは問題ないでしょう。
今まではライカQの方が圧倒的に良いと信じていましたが、このHDRがLightroom mobileに実装されてからは状況は変わりました。
ハイライト、シャドウの描写を考えてライカQで露出調整して撮影しても、Lightroom mobileカメラでHDRで撮った方がよほど楽で上がりも良いのです。
ライカQの利点は28ミリで開放1.7だという点。しかも、ライカQは絞らずに撮影するようにセッティングされています。
これは何を意味するか?
Leicaはたぶん分かっていたのでしょうね。
スマートフォンには勝てないと。
コンパクトデジカメが勝てるところはレンズの描写だけです。しかもそれが絞ってしまったらスマホと同じになってしまうので、開放近くで撮る。
この撮り方ならスマホにはとうてい真似が出来ません。
ただ、Lightroom mobileがカメラ機能をアプリケーションで機能向上させてきたことを考えると、その優位性もいつまでか?という感じがします。
Adobeのすごいところはソフトウェアでカメラを再定義したという点です。
先のCP+2017横浜で、Adobeの担当者に僕は言ったのですが、、、
「Lightroom mobileはこの会場に出展しているいろいろなメーカーの敵なのか味方なのか?」
Lightroom mobileのカメラによって、ほとんどの場合、コンパクトデジカメは必要なくなるでしょう。のこされたシーンは子供の運動会のような望遠で連射、被写体にピントを合わせられるというカメラです。
運動会でもスマホを使うことが当たり前になったら、、、その時はコンパクトデジカメは終了ですね。
さて、このHDR、問題点はファイル容量が大きい点。
1枚50MBあります。
前にも書いたように、これからiPhoneを買い替える人はとにかく無理して大容量のモデルを買った方がいいです。これは先のCP+2017横浜でも言いましたけど。
コンパクトデジカメは一瞬のきらめきのように時代に登場して、やがて流星のように消えて無くなる運命なのかもしれません。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
湯浅様
HDRすごいですね。
ぼくはいつも現像で明るい画像と暗い画像を作り合成して調整しています。(笑)
80年代にスタジオマンからカメラアシスタント経験者としまして、現代の素晴らしい技術革新を喜んでいいいのか,。。。すこーし微妙な気持ちです。
誰でもきれいな写真が撮れる!。
先日娘の小学校の広報誌をみました。
今春卒業する生徒たちの将来の希望職種。
なんと4人もカメラマン(写真家も)希望でした。
しくじり先生になって色々アドバイスと進路変更させたい気分です。(笑)
投稿: 竹田正道 | 2017.03.31 19:45