フォーカススタックとアオリレンズの比較 その1
時間が出来たので、以前から書こうと思っていたのを簡単に書いてみます。
Phase One XFカメラでファームアップのバージョン2から「フォーカススタック」という機能が付いています。
フォーカススタック自体はPhase Oneに限らず、Photoshopでも出来ることで、それほど新しい機能というわけでもありません。
では改めてそれを書いてみようか?と思った理由ですが、、、
Phase Oneの場合、ハードとソフト、両面から、現実的な使用として、使える、フォーカススタックを提案している点。これが新しいと感じました。
ハードはXFカメラボディが必要になります。レンズも出来れば新しい方が良いでしょう。
ソフトはヘリコンフォーカスと言うソフトを使います。ヘリコンフォーカスはXFを買うと、1年間の無償提供があります。
僕はすでにこのハード、ソフトを利用して、いくつもの仕事をしてきました。結果、満足のいく写真を得られています。
ただし、、、、
ちょっと使い方にクセがあり、それに慣れて、弱点を補う工夫をしないと。簡単に誰でもがシャッターを切るだけで使えるというわけではありません。
さて、根本的な問題として、なぜフォーカススタックしないとならないのか?
それはピントが合わないからですね。
ピントが合わない・・
もっと詳しく書くと、必要なところすべてにピントが合った写真が必要なのに、ピントが合っていないことを言います。問題になるのは主に商品撮影の時です。
被写界深度の問題になるのですが、解放時にピントが合った部分は薄い一点のみです。商品は複写でない限り奥行きがあるので、前から後まですべてピントを合わせたいとなると、絞りを絞っていくことになります。
これが基本的な考え。
商品撮影でもモデル撮影でも、風景の撮影でも同じです。
ここに大きくかかわってくるのが、フィルムに当たる撮像素子の面積。これが小さいほど、開放に近くてもピントが合うゾーンが広くなります。最もわかりやすい例はiPhone。iPhoneのカメラで撮った画像はピントが良くあっています。逆に背景をぼかしたいと思っても、iPhoneではそれが困難、という経験は誰もがありますよね。
撮像素子が小さいほどピントが合った写真が撮れ、大きいほどそれとは逆になります。
フルサイズのカメラを使うとピンぼけを起こしやすいのはそのためです。
もっと大きい中判デジタルだと、最小限に絞ってもピントが合う範囲はそれほど広くはなりません。中判デジタルに不慣れな人がピンぼけ写真を連発するのはよくあることです。
商品撮影ではその商品の前から後まですべてにピントが合っていることを求められます。(そうではないイメージ写真もありますが)
その時にどうするか?
絞りを絞る。これしかありません。
絞ると画質が悪くなります。何となく全体にぼけている、、、そんな写真になります。がピントは合っています。
ピントは合わせたい、が、出来るだけ良い画質で。
この相反する要望をどう満たすか?
その1つがフォーカススタックであり、アオリレンズの使用です。
フォーカススタックはピントあっている部分を少しずつずらして、何枚も撮影して、画像処理でピントの合っているところだけを合成していく手法です。
アオリレンズを使った撮影は、撮影時にレンズアオリを使って、ピントの合う面を変えて、適度な絞りでも必要十分にする技術です。
この2つのやり方はそれぞれメリットデメリットがあって、写真家はそれをケースバイケースで使い分けられるようにしています。
続く
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