フォーカススタックとアオリレンズの比較 その4
時間が空いてしまいましたが、続きです。
ヘリコンフォーカスを使ったフォーカススタックには使いこなしが若干必要です。
ダメな例しか出していないので、OK直前のカットを見ていただきましょう。
これは同じようにf7.1でもっと刻んで撮ったものを合成しました。
16ショットですね。
僕の持っているレンズはMFなので、一番前から一番後までを手でフォーかスリングを回して16刻みはほぼ限界と言っても良いでしょう。このナイフ程度の大きさでは。
ただし、XFを使って、AFのマクロレンズを使えば、機械的に駆動するので、正確にもっと多くのカットを撮れます。
商品自体はかなりシャープに合成できていますが、背景との境目がダメです。
次の例がそのまま絞りをF16まで絞って、10ショットからの合成。
たぶん、仕事で使うとなると、この感じになると思います。絞っているのでフォーカススタックする際に重なる部分が多くなるので、ショット数も少なめで大丈夫です。ただし、絞っている分、どうしても甘くなります。本来はF8位が一番解像感が高いところですが、それではショット数も多くなるし。解像感と後工程のハンドリング、それを天秤に掛けて自分で選ぶという感じでしょう。
一見うまく行っているようですが、これでも背景との境目にボケがあります。
現実的にはこの部分をすべてレタッチしていかないと納品できないので、結構な手間でしょう。
今回のテストはかなり意地が悪いテストになっています。なぜなら、背景が木目でピントが合っているとその部分はかなりシャープに写るので、商品との境目にウィークポイントが出るようにしているからです。
ヘリコンフォーカスを仕事で使うときは、ここまでを頭に入れて、良い部分を使えば良いのです。
つまり、、、
商品部分だけを合成して、背景は別カットでそこにレイヤー合成する。
面倒な作業と思えるでしょうけど、結果的にはそれが一番早くキレイに仕上がります。
今回は木目にしていますが、例えばデコラなど、グラデーションがキレイな背景だと、それはそれでヘリコンフォーカスは不得意です。グラデーションの滑らかな合成は出来ません。だからグラデーション部分は別カットでそれを合成することになります。
ヘリコンフォーカスは中判デジタルの圧倒的な解像感をそのままにピントを合わせるという、相反する要望を高い次元で、しかも簡単に実現してくれるアプリケーションです。Photoshopで同じことをやろうと思っても、今のバージョンではこんなに簡単にはいきません。
Phase One XFを買うと1年間の無償提供がありますが、有償で買っても良いレベルのアプリケーションだと思います。
ただ、巨人Photoshopが今後フォーカススタックの精度を上げてくるでしょうし、もしくはこういうアプリケーションを作っている会社ごと買収という過去の例もあります。Adobeからは目を離せないというのは、これからも変わりないことでしょうね。
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