ISSって知ってる?
朝から一本ロケをして、事務所に戻ってから物撮りでした。
宅配便で商品が届く予定でしたが、なかなか届きません。もちろん時間指定で送って頂いているのですが、、、どなたも経験があるでしょうけど、うちの場合だとたいていは時間指定の少し遅れたくらいで届きます。
今日も案の定、10分遅れ。
まあ、届いたから良しとしましょう。
早速、開封して撮影に入ります。
セッティングしてシャッターを切ると、、、ん?画像が転送されない。
メーカーのカタログカットなので、Phase One IQ280をジナーに付けて撮影しています。
デジタルの場合、なんで写らないのか?原因を1つづつつぶしていかないとなりません。
デジタルバックが悪いのか?接点か?接点と言っても、いくつものケーブルが繋がっているので、そのどれなのか?ひとつひとつ取り替えてみてテストしていきます。
クライアント立ち会いでなかったから良いようなものの、、土曜日の撮影だから、こういう時間もイライラしますよね。
結局、今日のところはISSが原因というところまで突き止めて、それを変えて撮影を続行です。
ISS、知っている人はプロでもかなりのベテランでしょう。しかも、スタジオフォトグラファーしか知らない機材です。
大判カメラ用の電子シャッターです。
僕はこれの第2世代のものを使っています。フィルム時代からの使用歴なので、すでに20年以上になるかもしれない。これが発売されたときは衝撃的でしたね。一回使ってしまうと、もはやこれなしでは大判カメラでの撮影はしたくなくなる。また、これがあるおかげで、アシスタント無しでの撮影もスムーズなのです。
現代はアシスタントのやる仕事が変化してしまいましたが、大判カメラでフィルム撮影をしていたときは、アシスタントの主な仕事はシャッターの開け閉め、チャージが一番花形でした。何人か居るアシスタントのうち、チーフクラスがやる仕事がこのシャッター周りだったんです。
それがこの機械でその仕事がなくなりました。
機械によるイノベーション。
デジタルになる以前から、そういうことはあったんですね。
さて、仕事続行です。電子シャッターを外して、レンズをマニュアルのシャッターに付け替えます。一般的にはコパルのシャッターです。これにレンズの前と後を外してねじ込みます。
シャッターはレンズボードについていて、この工具を使って締め付けます。
ニコンはこういうものも作っていたんですね。
と言うか、大判カメラ全盛の時代は、ニコンは35ミリカメラだけでなく、大判カメラ用レンズでも優秀なレンズを数多く出していました。国産ではフジとニコンが双璧だったんです。大判カメラを使うフォトグラファーはフジかニコン、どちらかを使っていることが多かったですね。海外ブランドのレンズもあったのですが、一般的ではなかった。
久しぶりのマニュアルのシャッターでしたが、IQ280のおかげで以前よりは楽に仕事が進みました。IQシリーズから、ウェイクアップのためのシャッターが必要なくなったので、普段通り、一発シャッターで撮影が出来ます。
このあたりはPシリーズを使っている人には劇的な進化なんですよね。
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コメント
ISS、知りませんでした。今回もまた勉強になりました。大判カメラは奥が深いです。ありがとうございます。
投稿: サカキトシミチ | 2016.09.09 16:06
サカキトシミチさん、ありがとうございます。
ISSはかなりレアな商品です。動かなくなったあと、プロ機材屋さんに修理を依頼しようとしたら、窓口の対応の人もこの商品を知りませんでした。古参のスタッフに聞いて、それから今の扱いのKPIに問い合わせしてくれたようです。
別スレッドのハードディスクの件もそうですが、頭痛い問題です。直すにしても、メーカーの対応は出来ないので、他を探すか?自分で探るか?面倒だからこのまま廃棄か?
機械はいつかは壊れる。
分かっていても、その日が来たときにどうするか?
僕がまだ若くて先があるようなら新しい機材に入れ替えていくのに躊躇はないでしょう。
ここに10万以上掛けるべきか?手動でいくべきか?
悩みます。
投稿: tats | 2016.09.10 16:32