高画素モデルはカメラマンにとって幸せか?
フォルクスワーゲンからDMが届きました。
新型パサートの案内です。
運転者からの視点をイメージしやすいという意図だと思いますが、インパネをほぼ等倍に印刷したものが入っています。
キヤノン5Dsの発売にあたり、コマフォトでもA4ではその精細さが伝わらないと言うことで、3つ折りか、4つ折りで印刷した5Dsの写真が入っていました。
クルマの撮影業界は他の撮影業界に比べて予算があり、しかも高品質を求められるジャンルです。今回のVWではないですが、僕も別メーカーの仕事をやっているので、たまにクルマの撮影データが手に入ることがあります。>合成用素材として渡される。
その時に興味があるので、どんなカメラで撮っているのか?データを見ます。
すべてのメーカーがそうではないと思いますが、そのメーカーは小さなカットでもフェーズワンP45で撮っていました。時代によってなのか、P65と言うこともあったし。
で、話が今回のパサートの印刷物ですが、残念ながら解像度が足りていないと思いました。
インパネのカットをここまで大きく使うとは思っていなかったのか?日本に渡されるデータが縮小データだったのか?不明ですが。
仮にすべての撮影をデジタルバックでやっていたとして、撮影者はここまで大きくなることを想定して撮影するだろうか?
自分も同じ業種なので我が身を振り返ります。
もちろん、すべてのカットを最高のクォリティで撮影するのはフォトグラファーとして、当然と言えば当然だけど、そんな事をやっていたらとてもじゃないけど時間が掛かってやってられない。緩急を付けないと現実的には香盤通りに進行は無理。
高画素モデルのカメラで撮影するのが普通の時代になってきます。写真を使う側からすればwebからポスター、駅貼りまで同じデータで行けるのは便利。だけど、カメラマン側からすれば、まさかB全のポスターになると思ってないし、事前にそんなこと聞いてないことが多いと思う。それがポスターサイズになってしまう、というか、そう使われると言うのは、ある意味、契約違反。いや、そもそも事前にどこまで大きく使うか?という契約自体、していないことが多いと思う。
悪意な取り方をすれば、「最初はwebだけで使う予定だったけど、後でどう使うか分からないから出来るだけ大きな画像でお願いします。」「でも、ギャラはウェブなので安くね。」みたいなことで仕事が始まり、結局、ポスター作っちゃいました。と安いギャラでポスターを作る方法論として成立してしまう。
まあそんなことは今でも普通にあることですが。今まではせいぜい5Dmk3程度だったから、クォリティもしれていたけど、これからはそうではなくて、常にハイクォリティな画像がスタンダードになり、使用媒体とギャラの相関関係はあっと言う間に崩壊していく。というか、もう崩壊しているのかもしれませんが。
だから使うな、とは言っても、他のプロカメラマンが使っていれば、それが業界のスタンダードになるわけで、何の意味もありません。ただ、プロカメラマンは事業としての経営を今後は今までとは違う方法で考えないといけなくなるかもしれません。
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