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2009.12.06

ついで需要

さて、昨日の勉強会のお話の続きです。

午前のファイナルカットのセミナーはすばらしかった。午後のコマフォト協力のセッションは、僕の場合、ほとんど以前に見ているもの(誌面とアップルストア銀座で)だったのでそれほどの目新しさは感じませんでした。ただ、最後のパネルトーク、しかも一番最後のパネラーのコメント内で、、、

今の普通のカメラマン(映画のカメラマンではなく僕のような静止画のカメラマン)に来る動画の仕事って、「ついで需要」が多いのではないか?つまり、なにかの撮影を頼まれて、そのついでにウェブ配信用に動画も撮れないか?みたいな、、当然、カメラマン側も持っているカメラで「撮れちゃう」し、少しでもお金になれば、と思うし、よく分からないけど、撮ったままでも良いと言ってるし、、と言うことで「気軽」に受けてしまうことが多い。でも、後々、ファイルが見られないとか、このアプリでも見られるようにしたいとか、クライアント様から様々な要望が来る。結局、手離れの悪い、割に合わない仕事になってしまう。。。しかも、値段も安かったりする。
だから、仕事として受けるときは、しっかり勉強して、そして、しっかりとお金を取るようにしてください。でないと、動画をやっている全体の相場を下げることになります。

これは僕が動画に対して思っている気持ち、そのままでした。

つまり、僕たちスチル側のカメラマンに来る動画の仕事って、言い方は悪いけど、「その程度」のケースがほとんどだと推測します。仕事を出すクライアントも動画を撮るには?というツテもないし、やり方も、そして金額も分からない。何となく写真を撮っているカメラマンに聞いてみた、、、って感じ。受けるカメラマンもどうせその時間にその場所にいて、更に自分が持っているカメラで動画も撮れるし、、ってことで、じゃあやってみます、と受ける。しかも値段の相場が分からないし、自分も素人だって言う引け目があるから、スチルの金額、プラスアルファ程度で仕事を請け負う。。。まあ、仕事は何とかやったにせよ、品質も当たり前ながらプロよりは悪いでしょう。更にそれ以上に最悪なのは、次からそのクライアントさんが発注する動画の金額の、一つの基準を作ってしまったという、取り返しの付かない前例。。。

僕にしても、動画の金額が全く分からない。見積もりをと言われても、それが5000円なのか、5万円なのか、50万なのか?そのレベルも分からないわけです。そんな人間が今後、動画の世界に入ってきます。

当然ながら動画を専門にしている人は多いわけで、結果的にその人たちの金額も下がることになるでしょう。

以上は仕事をしている人なら誰でも分かることです。でも、いざ自分の立場になったら、、、ついで需要に、気軽に応じてしまいそうな、、、プロカメラマンならたいていの人は思うはず。更に言うなら、安い金額でその動画需要をこの際全部いただいてやる!と言う人だって多いでしょう。

安い金額では仕事を受けない、は誰でも分かることなのですが、それを実行するのは、今の時代、かなり厳しいと実感しています。

自分がたとえ適正な金額を提示しても、他の同業者が安い金額で仕事を持って行ってしまったら、、それでも我慢できるのか?

何でこんなことを良い天気の日曜日に書いているのか???そんな自分にもイヤになります。笑

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コメント

こちらのブログ、時々拝見させていただいています。
今日の意見、全く同意!!!

そうなんですよねぇ。
難しいところです。

>>安い金額では仕事を受けない、は誰でも分かることなのですが、それを実行するのは、今の時代、かなり厳しいと実感しています。

本当ですね。安くてもついつい手を出してしまいます。

でも、これだけ厳しい時代だからこそ信頼のおける人たちと組んで、値段に関わらず良い仕事をしていきたいなぁ、、と思います。

これだけ仕事が減ってくると、ついつい新規需要も開拓したくなりますが、あーだこーだ言われっぱなしで、あげくの果てには未払い、なんてことだって有り得ますから。

思わずコメントせずにはいられませんでした。

じゃあ、私の場合はどうする?と聞かれてもはっきりと断言はできませんが、、

一見さんからの仕事は高め設定、嫌なら断る。信頼のおける旧知の仲ならどんなに安くても受ける。

というあたりを基本ラインにしたいなぁと思います。

でも、ホントに難しくて考え込んでしまいます、、、


投稿: 竹澤 宏 | 2009.12.06 14:42

スチールに対しムービーと大きく分けて
そのムービーの中でも動画と言いますとWEB用であったり
今までのビデオという言い方ですとDVD用であったり
どっちにしても静止画に比べ奥が深いです。
撮るのは簡単ですが、納品形態にするのがややこしいです。

コーデックだけでも画像と比べ物にならないくらい多いですし
よく再生出来ないとか、音が出ないと問題起こったりします。
なので、コーデックって何?という方は動画には関わらない方がよいです。(笑)
実際手離れ悪いですし、でも逆に費用が計上できるというのもあります。

5Dmk2でキヤノンはパンドラの箱をあけたと思います。

投稿: SHINYA | 2009.12.06 21:52

私もよく こちらのブログを拝見させて頂いて勉強させてもらってます。感謝〜
本日の内容、全くその通りだと思います。
スチールのほか動画の仕事も 依頼されるのですが、その時はムービー専門のスタッフ(外注契約)が入ります。実際、現状では 金額の問題で 多くの仕事のチャンスを失っています。
私も竹澤様のレスにあります基本ラインを通しているのですが、厳しさは増すばかりの実状です。
「ついで重要の動画」では SHINYA様と同じように、クライアント側の求めているものと知識を探るべく よく話し合い、説明させて頂いた後、依頼を出すかどうかの判断をしてもらっています。なるべく こちら側から受ける断るの判断は さけています。

投稿: iiP | 2009.12.07 12:16

いつもブログ拝見させていただいてます。
私はフォトグラファーですが、うちの場合ムービーのカメラマンと一緒に事務所をやっているのである程度適正な額が提示できていると思います。

スチル業界って、レタッチだとか後処理は撮影料に込みなことが多いですし、機材もバックタイプで大きい仕事をするときをのぞけば機材費なんて請求できないことが多いですけど、ムービー業界ってそもそも編集含めた後処理は全部費用請求するし、カメラも100万以下のものでもレンタル代相当の機材費を請求するのが通例なので、そのへんの費用感がかなり違うんですよね。

ただ、それぞれの費用を細かく請求するぶん、写真業界よりもかなり明確に相場が存在しています。
撮影にしても、編集にしても、スタッフ一人一日あたり○万円で何日稼働だからというふうに細かく見積もりますから、写真撮影のように基本的にはほぼ同じ内容の撮影なのに雑誌と広告で費用のケタが違うなんてことはありえません。
私はそもそもスチルカメラマンの料金体系がどんぶり勘定すぎたことが様々な問題の元になっているのではないかと考えています。

記事にも書かれているフォーマットの問題にせよ、ムービーの場合写真の数倍〜数十倍ぐらい後処理に時間がかかりますから、スチルカメラマンが気軽にコミコミで請けちゃうのはほんと割に合わないでしょうね。

でも私はけっこうこの問題に関しては楽観的に捉えています。
デジタル一眼がはやりだしたころに、一般社員が商品撮影する会社が多かったのが、今結局プロの手に戻ってきてる現状をみると、同じことになると思うんですよね。
プロと素人の差は歴然と出てくると思うので、差を見極められて、差分の金額が出せるクライアントは必ずプロの手に戻ってくるものだと思います。

デジタル一眼ムービーって、ムービーの世界ではかなりセンセーショナルなことでみんな注目していますし、実際いろいろ新しい可能性がたくさんあると思うし、スチルカメラマンにとっても表現の幅を広げるチャンスだと思うので、費用問題で質の低い物がばかりが出回るようになってしまうのはもったいないですね。

ちなみにうちの場合、ついで需要での簡単な撮影の場合でも通常のムービー撮影料の半日分〜1/3程度の費用を請求しています。ただし一眼で撮る場合機材は使い回しなので機材費は取りませんが、納品後に変換作業や編集作業が生じた場合には作業日数で後処理の料金を請求することにしています。

簡単なムービーの場合撮影時間も後処理も短いことが多いので予算的にも問題なくいけていますよ。

投稿: ASH | 2009.12.07 14:54

竹澤 宏 さん、ありがとうございます。
僕も竹澤さんのブログはグーグルリーダーに登録させていただいております。7Dと5Dmk2は迷いますよね。どっち買うか。
いろいろ考えるここ数年なのですが、カメラマンって本来は裕福な人の片手間、趣味から始まったと思うので、だんだんその本来の姿に戻るのな〜、と究極の未来像を想像しています。
僕も過去に何度か知り合いの紹介と言うことでやった仕事で泣き寝入りがあります。ほとんどの場合、紹介者は自分がやりたくないから、というようなババ抜き状態なのではないかと、思ってます。だって、良い仕事なら他人には紹介しないですからね。笑
事務所が浜松町にありますので、お近くをお通りの際は是非お寄りください。

投稿: tats | 2009.12.10 13:09

SHINYA さん、ありがとうございます。
動画の仕事が来る場合、さまざまな形態がありますね。僕などに来る話は「撮るだけ」みたいなのが多いです。この撮るだけも、どこからどこまでを指すのか?よくヒアリングしないと危ない。笑
自分でもそんな危ない橋を渡らなければならないほど、仕事に困っているんだろうか?と自分に問いかけます。今までは動画やっている知り合いに回してますが。今後はどうするか?
キヤノンが5Dmk2に動画機能を付けたのは、そんな事も出来る、という軽い気持ちからでしょう。その影響なんてメーカーは考えません。売れることがすべてですから。
マックが出て、DTPが当たり前になり、写植屋さんが消えたように、機械の進化でその時代の職業も変わります。カメラマンが今後どうなっていくのか?ですね。

投稿: tats | 2009.12.10 13:15

iiPさん、ありがとうございます。
そうですよね〜〜、こちらから断るのは避けたいところですね。
動画の仕事がそんなにあるのか?ってところもよく分からないところですし。
ただ、デジタルフォト黎明期にあったような、「うちは出来ます」って言って仕事を持ってくるというやり方はありでしょう。フィルムからデジタルの移行期ではそれでおいしい思いをしたカメラマンは居たはずですから。
今回の動画のムーブメントもそのニオイがしなくはないのですが。

投稿: tats | 2009.12.10 13:23

ASH さん、ありがとうございます。
たぶん、ASH さんのところみたいな形態が一番今の時代に合っていると思います。所詮、一人でやれることには限界もあるし、餅は餅屋ですし。素人が手を出して儲かるほど甘いものはこの世にはそうそう無いでしょう。
スチルカメラマンはどんぶり勘定というのも確かに。。でも、このデフレの世の中、ますますどんぶりになって行ってます。いくら撮っても同じ金額、っていう仕事、多くなってきていると思います。
これだと、正直者が馬鹿を見る典型で、一生懸命やればやるほど、単価が下がります。適当にやった方と実入りは同じでは、誰も本気ではやりませんよね。日本はいつから社会主義になったんだって思いますよ。

投稿: tats | 2009.12.10 13:29

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