環境光
さて、フェルメール展で気になったこと・・・
ちなみにですが、、、写真は一切関係ありません。とりあえず上野で撮ったので載せただけ。
さて、気になったのは環境光です。
なぜか?
展示されていたフェルメールの作品が思ったよりも青かったからなのですが。。
フェルメールの部分の展示はフェルメールの作品の横、もしくは部屋の反対側にその作品の解説パネルがあるという具合になっています。
解説パネルはその絵画の部分を拡大してプリントしてあり、その部分の解説を書き込んであるという、この展示方法は非常にわかりやすく、すばらしいものでした。
その点は評価できるのですが、、、
気になったのは作品に当てている照明。
フェルメールの作品にはタングステン光をフィルターで色温度を上げたものを当てていると思われます。それはそれでかまわないのですが、、問題なのはそれ以外の照明です。先の解説パネルなども含めてほかの照明は通常の電球、、つまりは非常に色温度の低い照明です。
ここをお読みの方の多くはカラー・マネージメントなる言葉を聞いたことのある人たちだと思います。
環境光の重要性は言うまでもないことです。
この展覧会でフェルメールの作品が青く見えてしまった、、、そりゃーそーだ、ってことです。
解説のパネルの絵と本物の絵と、全く見え方が違います。解説パネルはプリントアウトなので、その時点でも色が変わったと思われますし、、
自分の目で、そこにある本物を見ているにもかかわらず、本当の色がわからない、、、会場内でのミュージアム・ショップで図録を見て確認しましたが、、、それも正しいのかどうか??
東京都美術館の出入口で、フェルメールのDVDを流していましたが、実はコレが一番正しい色なのではないか?と思いました。いや、正しい色ではなくて、僕が見たい色ですね。
8月にエルミタージュに行ったときもそうですが、現場においてある、その照明状態は決していいものばかりとは限りません。
ポスターやTVなどで有名な絵画は幾度となく見ていて、いざ、海外旅行先で現物を見てみて、違和感を覚える、、よくあることです。
記録のため、美術館に展示してあるいつもの光とは違った状態で、テレビも印刷物も撮影されています。だから、より忠実により正確に再現されているはずなのです。
最近思うのは、人気のある美術品は、行列に並んで、人混みをかき分けて、雑音に我慢して見るよりも、自分のリビングで大画面のテレビでゆったり見た方がいいのかな〜という気さえしますね。
それだけ、大画面テレビが一般的になったり、再現性のいいメディアで記録できるようになったりしてきた、時代と言うことなのでしょうけど。
まあ、色がどう見えようが、自分の目でそれを見た、と言う事実が満足感な訳ですが。。
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コメント
美術館の照明が非常に重要という所まではまぁわかる話だけど、では何が正解かなんてのは無いでしょう。
撮影なんかスポットライトガンガン当てまくってますよ。ましてソースが同じでもモニタのキャリブレーションによっても全く違います。
それが果たして忠実に正確に再現していると言えるのか。そもそも何に忠実なのか、何を再現しているのか。電灯が生まれたのは1870年代ですよ。
当時と同じ照明、あるいは自然光の中で見るのがあるべき姿なのかもしれませんね。その辺はキュレーターに聞いてみると美術館の考え方がわかるかもしれませんが。
投稿: 藤 | 2008.10.02 10:51
藤 さん、ありがとうございます。
伝わりにくい文章で申し訳ありません。
言いたかったのは環境光の重要性です。肝心な作品に当てている光の色温度と、そのほかの光の色温度が明らかに違いすぎる点が、問題だと思ったのです。すべて同じ色温度ならそれほどの問題にはなりません。
照明器具自体は同じような外見でしたから、フェルメールの作品にのみフィルター操作をしているという印象でした。
今にして思えばですが、、、たぶん、色温度の変換ではなく、赤外線のカットのためではないか?とも思えます。ただ、、、歴然に色が違って見えるので赤外線カットにしてはそれよりもカットの幅が大きい気がしますが。
投稿: tatsphoto | 2008.10.02 23:31