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2006.07.27

アオリ

Dsc00631最近、あるメーカーさんからのお仕事を頻繁に頂いている。
化粧品、シャンプーなどを作っている日本人なら誰でも知っているメーカーさんだ。
撮っているものはそこで発売されるものの、パッケージなど。
箱の状態が多いのだが、それを撮るのには写真のような「アオリ」という技術を使う。ただ、これは大判カメラでないと出来ないもので、フィルム撮影の時代では当たり前のものだった。
今はデジタル撮影が当たり前になったけど、35タイプのデジカメでどうにもならないのがこの「アオリ」というもの。
主に形の修正と、ピントの合う範囲の調整が出来るんだけど、箱物の撮影に使うのは形の修正。
建物の写真で普通に撮れば上に行くほど小さく写るものを、上と下の部分がほぼ同じ大きさにするのがこの技術で、商業写真では基本と言っても良いもの。
が、35タイプのデジカメがデジタル撮影の主流となっている今、撮影された「形のゆがんでいる」データをフォトショップでパースの修正をするわけだ。
CS2のレンズ補正はかなりイイ感じで補正できるけど、古い世代の僕のようなカメラマンにはどうにも馴染めない。やはり、前板と後ろ板を自分で動かして形を直して撮影したい!

で、その欲求が可能になったのが、Phase OneなどのDigitalバックを大判カメラの後ろに付けるというやり方。これで、ほぼフィルム撮影時代と同じようなハンドリングで撮影が出来る。

さて、先のメーカーさん、こうやって撮った撮影データを納品したところ、いたく感激をされたそうで、それ以来、僕のところに撮影が来るようになった。
それほど大きく使うわけではないけど、、、たぶん、600万画素クラスのデジカメでも十分なデータだと思うけど、Phase Oneで撮った画像は、どうしようもないくらいに「違う」ものになる。画素数じゃないと言うことだ。

Phase Oneを買ってから、知り合いのカメラマンに「どうよ?」って良く聞かれるけど、フィルム撮影の時と同じになると答えている。
同じというのは上がりではなく、やり方。つまり、フィルム撮影の時にちゃんとあおって、大判カメラ、中判で撮っていたカメラマンは一時的には35タイプのデジカメで仕事をするだろうけど、遅かれ早かれDigitalバックでの撮影になると思う。それが慣れというものだし。また、以前から35タイプが主だったカメラマンはバックタイプに行くことはないだろう。その必要もないだろうし。
結局はDigitalになっても、やることは同じ、仕事も同じだと言うことだ。高いデジカメを買ったから高い仕事が来るのではなくて、フィルム撮影の時と同じように仕事をしていると言うことだけ。ココを誤解している人が多い。

こうやってジナーであおってブツ撮りをしているとホント落ち着く。「やっぱこうだよなぁ〜」って。

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