モノクローム
朝から納品で銀座に行く。クライアントのすぐ近くにコダックフォトサロンがあって、そこへ行く時は大抵フォトサロンにも寄る。
今週はナショナルフォートのモノクロームの写真展をやっている。
写真をやっている人間、その中でもある程度年齢が行っている人たちはモノクロ写真にひときわの思いがあるようだ。僕より下の世代の人たちは生まれた時から写真に色が付いていた時代なので、上の世代とはちょっとモノクロに対する感慨は違うのかもしれない。
かくいう僕も、高校時代は自分の部屋に暗室も持っていて、夜な夜な現像、プリントをやっていた人間。
写真は撮っただけでは終わらないで、それをプリントすることで完結する。>今はデジタル化してネットで見せると言うことが多い時代になってしまったけど。
撮ると言うことと同じ位、プリント作業は重要なパートだったし、楽しい作業でもあった。
この世界に入ってから思うのは、モノクロの仕事自体が非常に少ないことと、後作業に手間が掛かると言うこと、自分で暗室を持っていないという物理的な面、そんなことがあって、多くのプロカメラマンはモノクロから離れてしまっているということ。
久しぶりにまとまったモノクロームの写真展を見た。先週末の伊藤さんの写真展もそうだったし、今日も。
出展しているカメラマンもそうそうたる面々なので見応えもある。特に看板にもなっている鋤田さんのデビット・ボゥイのポートレートは良い。もちろん、被写体に力があると言うことも大きいが、、、だけど、それに負けない位のカメラマンでないとこういう写真は撮れないのも事実。
デジタル全盛の今だけど、こういう写真がデジタルでプリント出来るようになるのはもうちょっと先かな。
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コメント
写真展見てないけど、モノクロプリントは、職人技の世界です。
私も奥義を得ようと努力しましたが、挫折しました。
デジタルやるようになって、ますます足が遠のきましたが、バライタ印画紙と銀によるテクスチャーは、デジプリでは得られません。
願わくは、自宅暗室で、パソコンからバライタ印画紙に焼けるようになることですね。
そういうシステム、どうして開発されないのかなあ?
商売にならないからか。
ただ、時代の流れとして、廃液など、環境に与える影響もありますしね。
そのあたりも、見直されないと。
そう言う意味で、今のモノクロ現像液のトレンドは、ビタミンCだって、知ってました?
投稿: Gatto | 2005.04.20 09:03